近道は遠道

その場しのぎじゃない認知症患者との正しい意思疎通の図り方

バリデーション療法の資格バリデーションワーカーとは

バリデーション療法の専門家として活躍するバリデーションワーカーをご存知だろうか。バリデーションワーカーとは、公認日本バリデーション協会が認定する認定資格で、取得することでバリデーション療法の実践はもちろん、それに付随するさまざまなサポートをすることができる。

広がりをみせているバリデーション療法とは

高齢化社会が急速に加速しているが同時に認知症を発症する患者も多く、決定的な改善方法は未だ見つかってはいない。そのような状態のなかでバリデーション療法が注目を集めている。徘徊および大声を出すなど、本人との意志疎通が難しい認知症では、介護者や家族などはその対処として認知症患者の話しに合わせるなどいわゆる嘘をつくことで、いっときの対処を見いだしてきた。それは認知症患者の気持ちを落ち着かせることへの近道と思われてきたが、欧米を中心に傾聴や共感を軸にしたコミュニケーションを行うバリデーション療法を用いることが広がりをみせている。認知症患者が行う行動や発言には全て意味のあることとし、その人が本来何を伝えたいのかという深い部分に向き合う療法ともいえるのだ。

この療法には多岐に渡るテクニックが必要である。例えば介護者が認知症患者と向き合う心の準備や質問の投げかた、リフレージングやレミニシング、言葉の表現方法(言葉や目線)などこれらには繊細な言葉や行動をまるで積み重ねるかのような作業が求められる。会話のキャッチボールがスムーズに行われているようにする背景にはなにがあるのか、それは認知症患者の失われた記憶を引き出すような簡単な質問と、介護者がそれを理解しようとする真摯な姿勢が気持ちを落ち着かせるという。病に向き合うということも重要であるが、患者の人間性をどう支えていくのかということも大切だといえる。尚、この療法に触れたサイトに詳細が記載されていたので、介護者は読んでおくと良いだろう。